新型コロナウイルスの濃厚接触者や陽性になった場合、実際にどうしたらいいのか、わかっているようでわからない。


仕事に行けないのはわかるけど、就業制限中の行動はどうしたらいい? 職場復帰の時期はいつ頃になる? 軽症の場合、宿泊療養施設での生活準備物はどうしたらいい? 等解説していきます。


医療従事者が優先接種されるワクチンについてもお伝えします。





厚生労働省の手引き


【厚生労働省】新型コロナウイルス感染症診療の手引きから、MSW目線で抜粋したものに実務で必要な情報を付け加えています。


濃厚接触者の定義


発症2日まえから接触した次の者。コロナ病棟看護師は感染対策をしているので、スタッフがコロナに感染しても基本的には濃厚接触者にはならない。


  • 同居、長時間の接触(車内・航空機内)があった者
  • 感染防護なしに、診察、看護、介護していた者
  • 体液等に直接触れた可能性のある者
  • 1m程度の距離で、感染予防策なしで、15分以上接触した者


病原体診断の方法


検査結果が出るのが早いとの理由もあり、抗原検査を実施する場合が多い。
  • 遺伝子増幅検査(PCR法・LAMP法) 感度高いが検査時間が長い(1~5時間)。
  • 抗原検査(ルミパルス) ウイルスの抗原を検知する検査で、PCR検査とともに確定診断として用いることができる


重症度分類


コロナウイルス陽性と診断されると、他にも検査を実施して重症度を分類します。

  • 軽症(呼吸器症状なし) 多くが自然軽快する。リスク因子のある患者は入院とする。
  • 中等度Ⅰ(肺炎所見あり) SPO2を3回/日測定する。リスク因子を有する場合、重症化しやすい。抗ウイルス薬の投与が検討される。
  • 中道度Ⅱ(酸素投与必要) 呼吸不全の原因を推測するため動脈血液ガス検査(PaO2、PaCO2)をおこなう。急性憎悪する場合、ステロイド薬、レムデシビルの使用も考慮する。
  • 重症(人工呼吸器が必要) L型(比較的軽症)とH型(重症)に分類。ECMO、血液浄化療法、血栓症対策。



薬物療法に使用される薬


  • カロナール 解熱剤。
  • デカドロン ステロイド、強い免疫抑制剤。肺炎ある場合投与。
  • アビガン 肺炎像ある場合投与開始。抗インフルエンザウイルス剤。インフルエンザウイルスが増殖するのを抑える。
  • レムデシビル RNA合成酵素阻害薬。



重症化のリスク因子


以下の疾病等がある方は、急に重症化することもあるため特に注意します。

  • 糖尿病
  • 心不全
  • 慢性呼吸器疾患
  • 高血圧
  • 免疫抑制状態
  • 妊婦



重症化マーカー(検査所見)


血液検査では以下のマーカーに注意します。

  • Dダイマー上昇 凝固マーカー。(基準値1.0以下)
  • CRP上昇 炎症や感染症。(基準値0.3以下)
  • LDH上昇 
  • フェリチン上昇 
  • リンパ球の低下 
  • クレアチニンの上昇 老廃物。腎機能が低下すると高い。(基準値0.4~0.8)
  • トロポニンの上昇 筋肉を構成する蛋白質。
  • KL-6上昇 肺障害の程度、炎症の程度と関連するので肺病変のマーカーになる。


注意するべき症状


  • 全身倦怠感
  • 発熱
  • 鼻水
  • 喀痰
  • 味覚障害
  • 嗅覚障害
  • 息苦しさ
  • 消化器症状
  • 下痢



退院と陰性証明等について



退院基準


次の要件を満たすと退院になります。退院時にPCR等の検査はしません。

  • 発症10日経過かつ軽快後72時間したら退院可能。
  • 軽快24時間後、検査で24時間開けて2回陰性で退院可能。


死後のケア


遺体全体を覆う袋に収容、密閉することが望ましい。表面は消毒し、医療施設内で納棺後に搬送が望ましい。納棺後は特別な感染対策は必要ない。


陰性証明書について


新型コロナウイルス感染症に伴う就業制限の解除に当たって、職場等への陰性証明書の提出は必要ないことが厚生労働省の通知で示されています。そのため、就業や通学等に際しての新型コロナウイルス感染症の陰性証明について行っていない病院がほとんどです。


濃厚接触者 or 陽性になった場合


同居者が濃厚接触者になった場合


  • 同居者の検査結果が出るまでは出勤しない。
  • 同居者が陰性の場合は体調に注意して出勤してもいい。


医療従事者が濃厚接触者になった場合


  • 最期の接触から14日間、または保健所が指示した期間は就業制限。
  • 自宅待機中は健康観察票を記録して復帰時に提出する。


病院職員が感染した時の対応


  • 入院、宿泊療養、自宅療養かは、保健所の指示に従う。
  • 同居者は濃厚接触者になる。
  • 同勤務部署の職員はICTが接触状況を調査して判断する。


就業制限と職場復帰について


就業制限中の行動


  • 朝夕に体温と症状の確認。
  • 不要不急の外出は控える。やむおえず外出する場合は公共交通機関の利用は避けマスクを着用する。
  • できるだけ同居者との接触を避け、マスクの着用、手指衛星を行う。
  • 洗濯は通常通りで良い。


陽性者の職場復帰


両方の条件を満たすこと
  • 発症後に少なくても10日以上経過している。
  • 薬剤を服用していない状態で、解熱後および症状(咳・咽頭痛・息切れ・全身倦怠感・下痢)消失後に少なくても72時間が経過している。

宿泊療養施設の選定基準と生活内容(三重県)


重症化リスクがない者等で、医師が必ずしも入院が必要な状態ではないと判断した場合には、宿泊療養等で療養する。


選定基準


  • 65歳未満
  • 無症状または軽症者
  • 基礎疾患等(呼吸器、腎臓、心臓、血管、糖尿病、高血圧、肥満等)がない
  • 免疫機能が低下していない(臓器移植、免疫抑制、抗がん剤の使用等がない)
  • 妊婦でない
  • 宿泊療養のルールに協力できる(飲酒、喫煙は禁止、部屋からでない)


宿泊療養施設での生活①


  • 宿泊施設までは三重県の搬送車で搬送する(途中下車できない)
  • 室内設備:テレビ、冷蔵庫、電気ケトル、ドライヤー
  • Wi-Fiが利用可能
  • 入所時に、マスク、体温計、パルスオキシメーター、ゴミ袋、ティッシュなどが配布される
  • 歯ブラシ、タオル、パジャマ類の配布はない
  • 看護師が常駐し、1日2回、電話で体調チェックを行う
  • 1日3食、お弁当とお茶が配布される。部屋の前に配布され、管内放送で連絡される。
  • 1日1回(夕食配布時)、ごみの回収がある。


宿泊療養施設での生活②


  • 室内、風呂、トイレは自分で清掃する(清掃物品が配布される)。
  • 療養施設の洗濯機は使用できない
  • 退所時は、三重県の搬送車で、目的地まで送ってもらう。
  • 退所時に廃棄できる物は廃棄する。
  • 使用したシーツ類は、退所時に自分で袋に入れる。


新型コロナワクチンについて


新型コロナワクチン予防接種についての説明


予防接種について、病院側から説明はなく、以下2枚の書面がまわっただけです。
接種を希望するかどうかを2回、確認されました。

医療従事者の中でも判断は分かれていますが、接種する方がほとんどです。接種しない方は持病がある方がほとんどのようです。





新型コロナワクチン(コミナティ)について


今回、医療従事者が接種しているワクチンです。ファイザー製です。名前がかわいい。