ケアマネの仕事をするには、ケアマネ試験に合格して実務研修を修了しないといけません。
修了後、実務への不安は解消しましたか?
研修で、ケアプラン作成の流れは理解できました。でも、実際にケアマネ業務を始めるのに、何から手をつけていいのか、どうしたらいいのか不安ではないでしょうか。


介護支援専門員実務研修では、理念やケアプラン作成の流れは理解できますが、実際の業務については教えてもらえません。私も初めてケアマネ業務に就いた時は、引き継ぎもほとんどなく、手探り状態で訪問しながら覚えていきました。

今回は、そういった自分の体験を元に、ケアマネ初心者がまず知っておきたいこと知っておけば少し楽だったことを解説していきます。

YouTubeにも20分程の動画でまとめています。ぜひこちらもご覧ください。


      




ケアマネ初心者が知っておきたい実際の業務


実務研修では、自立支援に基づいたケアプラン作成について学んだと思いますが、実際のケアマネ業務においては、それ(ケアプラン作成)以外の仕事が多いです。
ケアプラン作成の一連の業務を含めると、思いつくものを書き出してもこれぐらいあります。
項目 業務内容
面談 ・電話や来所の相談対応
・モニタリング
書類作成 ・基本情報
・アセスメント
・ケアプラン
・利用票、提供票
・モニタリング記録
・要介護認定申請代行
会議 ・サービス担当者会議
・入院退院時カンファレンス
・伝達会議
連絡調整 ・サービス事業所と
・包括支援センターと
・地域団体と
給付管理 ・予防支援
・居宅介護支援



スケジュール管理


実務でこれらの業務をうまくこなしていくには、仕事の流れを1ヶ月、1日単位でスケジュールを組み立てて管理することが大切です。


そのためには手帳を有効に活用しましょう。



1週間1ページだと予定も入れやすいし見やすいです。


私はシステム手帳を使っています。メモはスマホの手書きメモを使っているので、手帳には予定のみを書き込んでいます。



1日が1行で、横軸に時間がプロットされています。予定を書き込み、予約が完了したら時間の部分に○を入れます。実行できたら赤のラインを入れるようにしてます。

そうすることで、予定をいれただけなのか、予約を完了したのか、実行できたのかが分かります

特に訪問予定は毎月同じような日時になることが多いので、先月のページを見ると訪問予定も入れやすいと思います。



1ヶ月の予定


一月を大まかに3つに分けて、中心的に行う業務を割り振ります。


上旬(1日〜10日) 

 介護保険更新申請代行

介護保険証は有効期間の切れる2ヶ月前から更新申請できます。 利用者さんの中には独居や高齢者世帯等にて、更新申請書が保険者から届いていても、手続が分からない方も多くみえます。ケアマネが責任を持って、担当者の介護保険の有効期間を確認して、必要に応じて申請代行をしましょう。 
保険者によっては、認定結果がでるまでに相当な期間が必要な場合もありますので、なるべく月初に申請して、認定期間が切れる前に結果が出せるようにしましょう。
 エクセル等で表を作って自分の担当者を管理するといいです。特に、介護保険の更新、サービス担当者会議のタイミング、短期目標の終了月等を入れておくと、次月に何の手続が必要かを把握して訪問もし易いです。 



A5のシステム手帳だと、A4に2画面印刷すると、半分に折って穴を開けて他のリフィルと同様に綴じ込めます。

毎月作り直しているエクセル表。パンチで穴をあけてリフィルにして手帳に綴じこんでいます。確認欄は、訪問予定の日にちを書き込んで訪問したら〇をしてます。横軸は令和何年、何月で、介護保険更新月には漢字の更、サービス担当者会議はカタカナのサ、短期目標の終了月は漢字の短、と記しをしています。

一番下に、会議をする件数を記載してます。そうすることで来月は会議が多いなと、気づくことができます。 

 ショートステイ予約 

 ショートステイの予約は、地域によっても事業所によっても異なりますが、概ね2ヶ月前からの予約受付の場合が多いです。

ショートステイは日頃介護を頑張っている介護者が何ヶ月も前から予定を決めていることも多いので、絶対にミスは許されません。予約の忘れは言語道断ですが、利用日時の誤りがないか、送迎の有無も含めて確実に予約します。

下記のように、1ページ1ヶ月の手帳に矢印で利用希望日を入れておくと間違えにくいです。


私は、矢印の右上に予約する施設名を書き、予約が完了したら○利用票に入力したらチェックをいれるようにして、ケアレスミスを無くすようにしています。

祝日の色が違うと予定を入れやすいです。「祝日だからショートステイを利用したい!」という依頼も結構あるのでケアレスミス予防にもなります。


介護予防プランの実績報告

地域包括支援センターから委託されている介護予防プランについては、請求書や給付管理票、実績などの提出が必要です。
給付管理業務は10日までに国保連に請求が必要ですが、包括支援センターは委託先事業所からの実績をとりまとめて入力し請求しないといけないので、10日よりも数日早い締め切りを課していますので、給付管理業務は、介護予防の利用者を先に片付ける必要があります。

給付管理業務

の実績が、FAXや手渡しで送られてきますので、予定と実績を照らし合わせて確認していきます。その際、ヘルパーやデイサービスがキャンセルになっている日があったり、知らない加算が追加されていることがあります。
特に、サービスがキャンセルされている場合は事実確認とともに原因を確認して、モニタリング等の際に確認します。


中旬(11日〜20日)


モニタリング


モニタリングの日時は、本人と家族の生活リズムも考慮します。過去の経過記録などから、月のどのタイミングで訪問するといいのか、時間や連絡方法などを事前に確認しておきます。

訪問の際は、前月の実績、ケアプランのコピー、アセスメント用紙、課題整理総括表などを一緒に持参します。前月の実績が予定通りでなかった場合、何が原因だったのか、サービスの変更は必要ないかを確認します。

モニタリングの記録様式は法令で決まっていませんが、意向、満足度、目標の達成度、調整内容、計画変更の必要性などを記載するように努めることとなっています。


祝日のサービス確認


祝日やお盆時期は、訪問看護やデイケアなどの医療系サービスが休みだったり、介護者が出掛けたりすることもあるので、事前に営業日の確認をしておきます。

居宅訪問時に介護者にも予定を確認してもいましょう。


通院乗降介助の予定確認


最近は単価の安い通院乗降介助の事業所が減って、予約が取り辛くなっている市町も多いですので、次回の通院予定は早目に確認して予約しておきましょう。予約する際は、自宅迎えの時間なのか、病院到着の時間なのか、間違えないようにしましょう。


ショートステイの予定確認


ショートステイの予約は2ヶ月前から受け付けている事業所が多いですが、事業所によっても違いますので確認しておきます。

何ヶ月も前から予定を組んでる介護者も沢山いるので、絶対に日程を間違えないようにしましょう。デイサービスと違って、迎え時間がかなり遅かったりすることもあるので、確認しておきます。



下旬(21日〜月末)


サービス担当者会議


サービス担当者会議はケアプランに位置付けた担当者全員を原則、召集します。情報共有、ケアプランの内容について専門的な見地からの意見を求めましょう。

医療系サービスを利用する場合は、事前に医師の指示及び意見を確認してから、サービス担当者会議に望みます。医師へのケアプラン交付も記録が必要です。


来月の提供票の作成


訪問系のサービスや、祝日のある月は、月末ではなく、少し早目に事業所に来月の予定を持って行ってあげるといいですね。



一日の予定


訪問や面談は、前後の時間に余裕を持たせておきます。
書類作成や記録などの書類業務もその日のことはその日のうちに済ませておきます。後に回しても、どんどん未記録の書類が増えていくことになります。

ポイントは法令に沿った記録ができるように、テンプレートを用意しておくことです。



予定外の業務


これら以外にも予定外の業務として下記のような対応が随時必要になってきます。
  • 新規利用者への対応
  • 入院退院など緊急対応
  • 入所退所への対応
  • 事業所への挨拶や見学 (※顔の見える関係を作るには大切)
  • サービス調整
  • 苦情対応 (※実はこういうのが一番時間が必要です)
  • 困難ケース、虐待ケースについて、地域包括支援センターへの報告及び連携



まとめ


ケアマネの仕事は、一生懸命こなしても記録がないと仕事をしていないとみなされます。その日のことはその日の内に記録しておくことも大切ですし、法令に沿った記録が非常に大切です。

法令遵守のケアマネ業務【契約からモニタリングまで根拠を徹底解説】も参考にしてみて下さい。
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法令遵守のケアマネ業務【契約からモニタリングまで根拠を徹底解説】

法令遵守って面倒ですよね。根拠法令が何なのか分からないし、そもそも分かりやすく書いてません。アセスメント、ケアプラン作成、モニタリング等のケアマジメント業務に関して、根拠法令に基づいて説明していきます。


そして、心身ともに健康で、体調を崩さないことが何より大切になってきます。ケアマネの仕事は一生懸命すればする程、本人や家族の悩みや、サービス事業所の不満等を一身に受け止めてしまい心が疲れてきます。

ケアマネはどう生きるか【ケアマネの現実と知ってほしいこと】も参考にして、絶対に心を病んでしまわないように十分気を付けて下さいね。


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ケアマネはどう生きるか【ケアマネの現実と知ってほしいこと】

ケアマネに求められることはさらに厳しくなります。2025年問題、2040年問題。高齢、単独世帯のさらなる増加、稼働年齢人口の減少。医療保険、介護保険、年金制度は、さらに厳しくなってきます。

      

システム手帳(knox brain A5)について


自分が使っているA5のシステム手帳です。ケアマネになってから色々と手帳をさがしていましたが、これが一番オススメです。

とっても肌触りが良くて開閉が固くなく、購入して直ぐ180度開きます。皮の強度もとても強くて数年使っていても角が擦り切れたり傷が付くこともなくてビックリします。




リング径が小さいので手帳自体はそんなに分厚くない。

仕事ではA4の書類が多いので、穴あけパンチで書類を半分に折って穴をあけることでピッタリリフィルのように手帳に入れ込んで使ってます。

「この手帳のこの部分が欲しいけど、この部分は他の手帳がいい!」ということないですか?
A4の書類だけでなく、他の手帳の気に入ったページを破ってリフィルにして入れ込んでます。



他のケアマネ手帳の欲しい部分のみ綴じ込みます。SSや月間予定など自分のやり易い手帳が作れます。