今回、急性期病院に急な異動が決まり、医療ソーシャルワーカーとして勤めることになりましたので、福祉業界、ケアマネ目線で医療現場の現状をお伝えしていければと思っています。

今回は、1日目で改めて知った言葉等を備忘録的に挙げてみました。

医療事務課も病棟も福祉現場とは違い、緊張感がありました。

1.入退院支援加算Ⅰ 600点

医療ソーシャルワーカーとして確実に取得していくべき加算点数です。病院側からするとこの点数をとっていかないと、ソーシャルワーカーを配置している意味がなくなります。

専従の看護師1名以上又は 専任の看護師及び専任の社会福祉士が1名以上を配置。

専従:明確な規定なし。業務時間の80%以上を当該業務に充てること
専任:50%以上を当該業務に充てること=2病棟まで担当

入退院支援職員:入退院支援及び地域連携業務に専従する職員

  • 入院後、3日以内に患者の状況を把握し、退院困難な要因を抽出
  • 7日以内に患者及び家族と、病状や退院後の生活も含めた話し合いを行い、退院支援計画を作成
  • 7日以内に、病棟看護師、病棟に専任の入退院支援職員、入退院支援部門の看護師及び社会福祉士等が共同してカンファレンスを実施
  • 病棟又は、入退院支援部門の入退院支援職員が、他の医療機関や介護サービス事業所等を訪れるなどして、これからの職員と面会し、転院退院体制に関する情報の共有を行う 死亡した場合は算定できない。

2.DPC対象病院

DPCとは、Diagnosis(診断:主病)、Procedure(診療行為:処置)、Combination(組み合わせ)の略で、診療の標準化、透明化、質の向上を図るために導入された制度です。

平成15年4月より82の特定機能病院を対象に導入された急性期入院医療を対象とする診断群分類に基づく1日あたり包括払い制度です。

医療機関は、診断群分類ごとに設定される在院日数に応じた3段階の定額点数に、医療機関ごとに設定される医療機関別係数を乗じた点数を算定します。つまり、病気ごとの全国平均の入院期間より長く入院させていると、点数が低くなります

  • 入院期間Ⅰ 診断群分類毎の入院日数の25パーセンタイル値まで
  • 入院期間Ⅱ 診断群分類毎の入院日数の25パーセンタイル値を超えて平均在院日数まで
  • 入院期間Ⅲ 診断群分類毎の平均在院日数を超えて「平均在院日数+標準偏差の 2 倍」以上の30の整数倍の日数まで

DPC対象病院になるための基準は高く、医師や看護師の配置、手術体制、集中治療室、画像や病理の診断の充実など、高い医療水準の維持が要求されています。全国の急性期病院の多くが導入しています。

入院医療費については、入院治療の主たる病名を診断群分類にあてはめて、1日当たりの医療費が計算されます。入院中の投薬、注射、検査、画像診断、処置などに関しては、使用量や検査、処置の回数に関係なく包括計算されます。
手術や麻酔、心臓カテーテル検査、内視鏡検査、リハビリテーションなどについては、これまでどおりの出来高方式で計算されます。出産、労災保険、交通事故などもDPC対象外です。

平成30年度診療報酬改定の概要DPC/PDPS

診断群分類(DPC)電子点数表について

平成30年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について

疾病別全国統計(病院情報局)

3.クリニカルパス

クリニカルパスは、治療や検査、投薬、リハビリ等の予定をタイムスケジュールで示した治療計画書です。

電子カルテを見ると、何やら時系列で治療や検査、リハビリ等の記録が載っていました。実際の現場で見るのは初めてで、自分が担当する病棟の主病についてのクリニカルパスについては把握しておこうと思い、下記のリンクを参考にみています。

日本赤十字社のクリニカルパス

4.SOAP

SOAPは、患者の経過をカルテなどに記録するときの記入方法のひとつです。単に経過のみを記録していくのではなく

  • S(subjective)患者の話や病歴などの主観情報。
  • O(objective)診察や検査などの客観情報。
  • A(assessment)Sと0の評価。
  • P(plan)SOAをもとにした治療計画。

の4つの項目にそって記載していきます。以下記入例です。

  • S:息苦しい感じがして痰を出そうとしても出ない
  • O:血圧130/60、脈拍100 回/分、SpO294%、体温37.0℃、チアノーゼなし。聴診にて肺雑音あり。吸引で粘度が高い痰が多量に引けた。
  • A:痰の貯留によりSpO2低下し、息苦しさを生じているが、痰の粘度が高く自己排痰は困難。スムーズな排痰を促す必要あり。
  • P:去痰薬の吸入、呼吸リハビリテーションの実施、体位ドレナージ

介護の現場でも記録の際に意識していましたが、入院病棟となると記録もエビデンスに沿った明瞭な感じがしました。

5.FIM(機能的自立度評価法)

FIMとはFunctional Independence Measure(機能的自立度評価法)の略称です。リハビリ職とカンファレンスをする際には、これを見れないといけないそうです。


FIMで評価する動作は、リハビリ室ではなく、病棟で実際に行われているADLです。

自立を7点満点、18項目すべてが自立で126点となり、すべてに全介助を要する場合18点になります。